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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第086号 ’01−04−06★
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希望の季節
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●お役所年度そのまま、
何ごとも4月が新しいスタート、、 の日本的パターンで無意識的に
支配されてはいませんか? サーモ屋はその辺も先進的、いち早く
四半世紀前、カレンダー年度で決算することにし、世間集中の繁忙期
を避けました。 83号既述の<早め>志向、一事が万事。
それにしても変わりたがらない<日本人>、自らの考えで決めて良い
ことも、敢えて考えようとはせず、世間様に合わせて済ませたがる、、
だから依然、桜の4月。 フレッシュマンたちが<希望>を胸一杯に
漕ぎ出す時。 往年ほどの熱気は感じられませんが、入社式なるもの、
未だ行なわれています。 初め良ければ終わり良し、と信じて?
問題は、その新鮮な昂揚がどこまで持続させられるのか、でしょうな。
たまたま桜の花にも似て、良い眺めはたいして長続きしないものです。
*
環境に馴染む、のは悪いことではない。 が、新鮮な感動が去り、
当初の意欲が薄れて行く、という意味なら、<良いこと>でもない。
それを戒めていわく、「初心忘るべからず」。
裏読みすれば、たちまち初心を忘れてしまう人が少なくない、という
こと。 長続きはしにくいのです。 「継続は力なり」の逆様、力が
着くわけありません。 その結果、「ユメもチボウも、、」アウト。
せっかく難関を突破して入学あるいは就職した若者がああ勿体ない、、、
と<化石>は惜しむが、むしろアッサリ道を選び替えるのが当世風。
* *
A rolling stone gathers no moss. 転石苔を生ぜず。 転々とする
のは良くない、と考えるのは、苔むした石に風格を感じる文化の人々。
その本家イギリスで今どうかは知りませんが、我が国の過剰清潔志向
世代はどうやら、石はツルツルであるべき、の認識らしい。 つまり、
アメリカ的モビリティ文化にも影響されてか、転がり続けた方が苔が
着かなくて済む、だから転がるべき、、 かどうか、アッサリ転がる。
全く同じ格言が、旧世界と新世界で正反対の解釈になるとは面白いが、
新世代に説教しても全然ウケない旧世代は面白いどころではない。
キミ、転がるにもそれなりの能力が要るんだぜ。 行く先々の文化
に合わせ、自分のありようを最適化するだけでも大変なんだから、、
* * *
現に、その表われ。 職場に適応できない、や、人間関係が難しくて、
という相談が後を絶ちません。 石の上にも三年、って言うだろ?
いくらか年月を経なきゃ分からない、ってこともあるのよ、、
とは申しません。 そんな言葉で「辞めたい、、」が一転するとか、
周りの人たちとうまくやれるようになるなんてこと、まず無いので。
しかし、どうして? そこに入ったのはキミ自身の選択だったはず。
希望が叶ったんでしょ? なら、<人間関係>など大事の前の小事。
少しは我慢もしなくちゃ、ね。 それに、
いずれ分かるだろうけど、どこへ行っても五十歩百歩。 そのたんび
悩むようじゃ、一生転がり続けになっちゃうぜ。 それなら、キミに
とっての<良くなさ加減>がもう分かった相手の方が、対処しやすい
んじゃないかな、、 おや? <草枕>になってしまった。
<人の世を作ったものは、神でもなければ鬼でもない。、、、
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国は
あるまい。 あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は、人の世よりもなお住みにくかろう。、、、>
どこかで歯止めを掛けることにしようよ、キミ。
* * * *
てな口説きが利けば上司も楽なのでしょうが、、
職場の人間関係も、近ごろは多様化しております。 平均してかなり
希薄になりましたが、その一方、あまり変わらないところもあります。
たとえば新人を何よりガックリさせるのは、身近な先輩の一言。
「お前、何でここに入ったんだ?」 よくぞ選んだ、目が高いぞ、、
ではない。 何でこんなところへ迷い込んで来たんだ? お前、賢く
ないな、、 の方でしょう、その響きは。
その先輩自身もかつて誰かにそう言われ、え? ここ、そんなにダメ
なんですか? の不安を強いられたのでしょうが、、 もしそうなら、
その経験を生かし、「時には疑問を感じることもあるだろうが、まず
訊いてくれ。 オレが説明してやるから、、」とでも言ってくれたら
良さそうなもの。 だが、言わない、言えない、、 だからダメ会社。
新人の希望を不用意な一言で凋ませておきながら、そうとは気付きも
しない先輩が少なくない。 精神的成熟度の低さはほとんど絶望的。
中には、根性のある奴かどうか見きわめよう、で意識的にガックリを
強いる先輩もいるようですが、、 方法はほかにもあるだろうに、ね。
どちらにせよハッキリ分かるのは、<希望>というものの脆さ、です。
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●普通<希望>と言えば
何か<良いもの>、張り切った心の代名詞、積極的に掻き立てるべき
もの、のように認識されていますが、あなたもそう思っていますか?
バブル経済崩壊以降、我々の辞書からは<希望>の一語、削除されて
しまった趣きですが、あなたには何かひとかけら、残っていますか?
*
ゼウスは命じて泥人形を作らせ、それに生命を吹き込んで最初の女性
とし、パンドラと名付けた、と。 そして一つの箱を持たせ、地上に
遣わされた。 天上の火を盗み、人間に恩恵を施したプロメテウスを
罰する目的であった、、 そうな。 そのためその箱には、
ビーナスから美と愛嬌、ヘルメスからは狡賢い嘘つきの心、そのほか
病気、悪意、妬み、憎しみ、暴力、偽善、保身、飢え、狂気、悲しみ
エトセトラ、あらゆる<災い>が神々の贈り物として収められていた。
プロメテウスは弟エピメテウスに、ゼウスからの贈り物は受け取るな
と忠告したが、弟はパンドラの美しさに魅せられ、妻にしてしまった。
美女パンドラは、女なら当然の好奇心で、「開けてはならぬ」その箱
を開けたから大変、たちまち諸々の悪が一斉に飛び出して拡散、、
以来この世は悪のはびこる場所になり、人間は不幸や苦悩にさいなま
れることになりました、、 とさ。 しかし急いで蓋を閉じたので、
かろうじて箱の底に残ったものが一つ、、 それが<希望>だった、
というギリシア神話番外編を知らない人はいないはず。 もちろん、
あなたもご存知。 だから、改めてお尋ねします。
<希望>は<良いもの>、胸に抱くべきもの、でしょうか?
* *
箱に詰められていたのはすべて<災い>、人間には無い方が良かった
悪しき精神活動の要素。 なら、それらの一つだった<希望>もまた
災い、、 じゃありませんか?
「だから<希望>も抱くべきではないのだ」、と結ぶのだったら話の
筋が通るのに、何故か
人は災いから生き残ることは出来ても、『希望』無しに生き続ける
ことは出来ないのです。
とか、
たとえ困難な状況に遭っても、『希望』だけは私たちを見捨てない。
とか、
世の中が苦しい事、悲しい事ばかりに思えても、一筋の光『希望』
だけは決して見失ってはなりません。
のように依然、<抱くべき、良いもの>とされているから不思議です。
もしやあなたも、ご自分の後輩(我が子であれ)に希望を「持て!」
とおっしゃって来られたのではありませんか?
* * *
じゃ、お前はどうなんだ? ですか?
さて、どうお答えしたものやら、、
もとが悲観主義、ですから希望など積極的には抱かなかったし、後輩
にも抱けと強いたりもしなかった、、 と自分では思いますが、、
84号の
Think aloud は<希望>じゃないのか? ですか?
言えば、Think aloud の実態は、進路模索の論議でしょう。 つまり
ブレーン・ストーミング。 <自分の希望>ではなく<あるべき姿>
を語ったのだ、と思います。 私の場合たとえば、
顧客のため、とか、周辺の調和などのために満たすべき項目はたしか
に<願望>ではあったが、それは即ち
WANT 。 その達成が職務、の身には、胸が弾むどころか、考えるだけでも芯の疲れることばかり、、
さらに<案>となると、それら
WANT をまとめて実現する手段、ですから容易でない。 ただワクワクするような話ではなかった、、
そんなシンドイことに取り組むのが自分の<希望>通りの人生だった、
となるとやはり、希望は災い、でしたな。 ただそれを、苦労だ、と
言わず、ほかの誰にも出来ることじゃない、と思えば誇りにもなる。
さよう、人生は何ごとも<相対性>で評価するほか無いのです。
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●職場不適応の悩みで
相談して来られる人々において、もし何が欠けているか、と言うなら、
まずこの<相対性>のセンスでしょうな。 これは何故か、学校教育
が全く扱わない部分だし、我が子に説いている親を見たことも無い。
そしてパンドラの寓話にも、相対性での説明は(我々に考える余地を
与えるためでありましょう)どこにも無い。 自分で考えなくちゃ。
どれでも宜しいが、たとえば<憎しみ>。 あいにくあなたの上司が
あなたを嫌っていたとする。 当然、あなたも上司に憎しみを感じる。
「汝の敵を愛せ」なんて、ムリ。 頬を張られれば張り返したくなる、
人間なら。 あなたの憎しみも、いわばその上司が引き出したもの。
相手なしで<絶対>的に存在する憎しみ、なんてあり得ません。
もし異動で、もっとイヤラシイのが上司になったら、今は憎いその人
がむしろ懐かしく思えて来る、かも。 ほら、絶対じゃないでしょ。
*
<美>や<希望>など、それが何故災いなのか? と思われる項目も
同じ原理。 それをどのように抱くか、その人の心次第ですから。
女性読者にはお許し願って、たとえば<美>女。 美貌とははかない
もの。 より美しい人が現われればたちまち霞む。 トシも取る。
まして外見は良くとも、行いが甚だしく宜しくない人だった、とでも
判明すれば、その人への目の付け方が変わる。 今までと違った見方
で見れば、前のようには美しいと思えなくなる、、 でしょう。
<希望>も、それをどのように抱くかによっては、大きな災いになる。
あのバブル経済は、抱き方を誤った希望から生じました。 その崩壊
後、この国が未だに低迷を脱することが出来ずにいるのは、高い役職
に在る人々が希望を正しく抱かず、従って正しく機能していないから、、
好かれたい、楽したい、トクしたい、カッコよくしたい、、 ではね。
せっかくの能力も、世のため、人のためには役立ちません。
要は、ただ「そうしたい」や、損得ベースの<希望>は災いの元、と
いうこと。
WANT に重大なヌケ・モレがあるのに気付かず、またはWANT の検討をトバシた手段への短絡になりがちだから。 まして、
<マイナス影響>など顧慮しない、、 だから災いは避けようも無く、
むしろ必然です。 思慮を欠いた希望は破滅の第一歩。 大切な
のは、360度の視野とバランス良いアタマの働かせ方です。
* *
青い鳥を追ってさまよい出たがる若者は、誰の力でも止められません。
が、もし間に合うなら、どこで何を捜すにせよ、目の配り方やピント
の合わせ方くらい、先輩の好意として教えてやってはいかが?
単なる<希望>でなく、<目標>としての何かを設定するべきだ、と。
それがもとで若者は、青い鳥が目前にいることに気づき、腰を据えて
働くようになる、かも知れません。
能力の発揮には<目標>が不可欠。 それはあくまでも<具体的>で、
<努力すれば実現可能>な目標でなくてはいけない、、 のに多くの
<希望>は抽象的、かつ<非現実的>。 そこを改めさせましょう。
よく言うように、ハタをラクにするのがハタラク。 彼/彼女の
MUSTや
WANT に、どんなハタや、どんなラクが込められているのか、いや、込められていないか、込められているべきか、、 語り合って下さい。
給料が彼/彼女の提供するサービスに対してであることも教える必要
があります。 どんなサービスを彼/彼女が提供できるのか、その
サービスは何のためになるのか、誰のためになるのか、、 が基本。
不思議なことに、そんな、職業人として初めに考えるべきことを全く
考えたこともないままに、職業の場に入って来る若者がほとんど。
思慮なき欲望を<希望>として抱けば早晩<災い>は避けられません。
そんな希望、早く壊した方がお互いのためです。 しかし、ただ壊す
のでなく、理性的
Rational に作り替える、、 で、今回のCM。
Rational Process は、
<正しい希望>、<思慮深い希望>を抱かせるツール!
それで少しは、定着が良くなるかも知れません。
それでもいなくなるヤツはむしろ、いない方が良いヤツ、かも。
じゃ、もう一つ。
Rational Process は、メンバー選別育成のツール!
■竹島元一■
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